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系統・用地の用語集 — 発電所・蓄電所・データセンターの用地選定で使う言葉

太陽光発電所・系統用蓄電池・データセンターの用地選定で使う用語を、系統(空容量、運用容量、逆潮流・順潮流、N-1電制、ノンファーム型接続、接続検討、工事費負担金)と用地(青地・白地、農振除外、甲種〜第3種農地、市街化調整区域、用途地域、開発許可、林地開発許可)に分けて、公的資料に基づき簡潔に解説します。

最終更新 ・ 公開 ・ 執筆 Japan ELC 編集部(Life ID株式会社) ・ 約7分

この記事の要点

  • 系統の用語(空容量、運用容量、予想潮流、逆潮流・順潮流、基幹系統・ローカル系統、N-1電制、ノンファーム型接続、再給電方式、出力制御など)を解説しています。
  • 手続きの用語(事前相談、接続検討、契約申込み、連系予約、工事費負担金、保証金、空押さえ、早期連系追加対策など)を解説しています。
  • 用地の用語(青地・白地、農振除外、甲種〜第3種農地、営農型太陽光発電、市街化調整区域、用途地域、開発許可、第一種特定工作物、林地開発許可、盛土規制法など)を解説しています。
  • 各用語の詳しい説明は、関連するガイドにリンクしています。

太陽光発電所、系統用蓄電池(蓄電所)、データセンターの用地選定では、電力系統と土地利用の両方の専門用語が出てきます。この用語集では、Japan ELCのガイドで使う主な用語を、公的資料に基づいて簡潔に説明します。

系統の基本

電力系統(系統)

発電所から需要家までの電気を届けるための、送電線、変電所、配電線などの設備のつながり全体を指します。

一般送配電事業者

各エリアで送配電網を維持・運用する事業者です。北海道電力ネットワーク、東北電力ネットワーク、東京電力パワーグリッド、中部電力パワーグリッド、北陸電力送配電、関西電力送配電、中国電力ネットワーク、四国電力送配電、九州電力送配電、沖縄電力の10社があります。

電力広域的運営推進機関(広域機関、OCCTO)

全国の電力の需給や系統の運用・整備を広域的に調整する機関です。系統アクセスのルール(送配電等業務指針など)を定め、各社の空容量の公表ページへのリンク集も公開しています。

空容量(空き容量)

送電線や変圧器に、新たにどれだけ電気を流す余裕があるかを示す値です。一般送配電事業者が設備ごとに公表しています。見方は系統空容量マップの見方で解説しています。

運用容量

設備を安定して運用できる潮流の上限です。熱容量のほか、同期安定性、電圧安定性などの制約で決まります。

予想潮流(想定潮流)

接続済み・接続予定の電源や需要を織り込んで想定した、設備を流れる電気の量です。広域機関によると、2018年4月から「想定潮流の合理化」が適用されています。

逆潮流・順潮流

発電所や蓄電池から系統へ電気が流れる向きを逆潮流、系統から需要家や蓄電池へ流れる向きを順潮流といいます。系統用蓄電池は、放電時が逆潮流、充電時が順潮流です。

基幹系統・ローカル系統・配電系統

広域機関の整理では、基幹系統は原則として上位2電圧(沖縄は132kV)の送変電設備、ローカル系統はその下位の送変電設備、配電系統は配電用変電所から需要家に至る設備です。

配電用変電所・バンク

配電用変電所は、特別高圧の電気を高圧(6.6kV)に下げて配電線に送り出す変電所です。変電所内の変圧器のまとまりをバンクと呼び、高圧で連系する案件では、バンクの容量が制約になることがあります。

低圧・高圧・特別高圧

電気設備に関する技術基準を定める省令による電圧の区分です。交流では600V以下が低圧、600V超7,000V以下が高圧、7,000V超が特別高圧です。詳しくは低圧・高圧・特別高圧の違い。

自営線

発電所や需要家が自ら建設・保有する送電線や配電線です。特別高圧で連系する場合、変電所までの自営線の建設費が事業性に大きく影響します。

系統の運用と接続ルール

混雑

送電線や変圧器を流れる電気が、運用容量を超える、または超えるおそれがある状態です。

N-1・N-1電制

N-1は、設備の一つ(送電線1回線や変圧器1台)が故障しても供給を続けられるようにする考え方です。N-1電制は、故障時に電源を瞬時に制限することを前提に、平常時に使える容量を増やす仕組みで、広域機関によると2018年10月に先行適用、2022年7月に本格適用が始まりました。

ノンファーム型接続

系統が混雑したときの出力制御を前提に、設備の増強を待たずに電源を接続する方式です。2021年1月13日から空き容量のない基幹系統に、2023年4月1日以降に受け付けた接続検討からはローカル系統にも適用されています。詳しくはノンファーム型接続とは。

再給電方式

基幹系統の混雑を解消するための出力制御の方式です。2022年12月21日から調整電源を活用する方式が、2023年12月28日から調整電源以外も含めて一定の順序で制御する方式が導入されています。

出力制御(再エネの出力制御)

火力の出力抑制や揚水発電の揚水運転などを行ってもなおエリアの電気が余る場合などに、太陽光や風力などの出力を抑えることです。系統の混雑による制御とあわせて、発電量を減らす要因になります。

系統用蓄電池

系統に直接接続され、特定の電源の出力変動ではなく、電力システム全体の需給変動への対応に活用される蓄電池です。2023年4月1日施行の改正電気事業法で、放電も「発電」に含まれるようになりました。詳しくは系統用蓄電池の接続ルール。

ウェルカムゾーンマップ

大規模需要への対応を念頭に、一般送配電事業者が送電線や変圧器の順潮流側の空き容量などを示したものです。系統用蓄電池の充電側や、データセンターの受電の検討に使えます。

系統アクセスの手続き

事前相談

接続検討の前に、連系先の候補や系統の概略を一般送配電事業者に確認する任意の手続きです。回答は原則1か月以内です。

接続検討

連系に必要な対策工事、工期、工事費負担金の概算を一般送配電事業者が検討する手続きです。回答は受付日から原則3か月以内(高圧に逆変換装置で連系する500kW未満は2か月以内)で、検討料がかかります。2026年1月以降は、申込み時に事業用地の登記簿等の確認結果の提出が必要です。詳しくは系統連系の手続きの流れ。

契約申込み・連系予約

接続検討の回答に基づいて系統への接続を申し込む手続きです。受付後、系統の容量が連系予約されます。接続検討の回答日から1年を過ぎると、その回答に基づく契約申込みは受け付けられません。

工事費負担金

系統への接続に必要な工事の費用のうち、接続する事業者が負担する金額です。

保証金

契約申込み時に預ける金額で、原則として接続検討回答の工事費負担金概算(税込)の5%です。系統用蓄電池は、2026年4月1日以降に受領される契約申込みから10%に引き上げられました。

空押さえ

事業化の見込みが低いまま、接続検討や契約申込みで系統の容量を押さえ続けることです。2026年から、土地の書類の提出や保証金の引き上げなどの対策が導入されています。

早期連系追加対策(充電制限)

系統用蓄電池が、一般送配電事業者の設定する時間帯に充電しないことを受け入れる代わりに、系統増強を待たずに接続できる暫定的な仕組みです。2025年4月以降の接続検討から適用されています。

農地

農業振興地域・農用地区域

農業振興地域は、農業の振興を図るため都道府県知事が指定する地域です。その中で市町村が農用地利用計画により、農用地として利用すべき土地の区域(農用地区域)を定めます。

青地・白地

農用地区域内の農地を青地、農業振興地域のうち農用地区域外の農地を白地と呼びます(通称)。青地は農用地利用計画で指定された用途以外に転用できません。詳しくは青地・白地と農振除外。

農振除外

農用地利用計画を変更して、土地を農用地区域から外すことです。代替すべき土地がないことなど、6つの要件をすべて満たす必要があります。

農地転用(4条・5条許可)

農地を農地以外の用途に変えることで、農地法の許可が必要です。自己の農地を転用する場合は第4条、転用のために権利を設定・移転する場合は第5条の許可です。市街化区域内の農地は、農業委員会への届出で転用できます。

甲種・第1種・第2種・第3種農地

農地転用許可の立地基準で使う農地の区分です。甲種と第1種は原則不許可、第2種は第3種農地に立地困難な場合などに許可、第3種は原則許可とされます。

営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)

農地に支柱を立て、上部に太陽光パネルを設置して、下の農地で営農を続けながら発電する事業です。支柱部分に一時転用許可が必要で、期間は通常3年以内(条件により10年以内)です。詳しくは営農型太陽光発電の許可基準。

都市計画・開発

都市計画区域

都市計画法に基づき、一体の都市として整備・開発・保全する必要がある区域として都道府県が指定する区域です。

市街化区域・市街化調整区域(区域区分)

市街化区域は、すでに市街地を形成している区域と、おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域です。市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域で、開発行為は規模にかかわらず原則として許可が必要です。区分されていない都市計画区域を非線引き都市計画区域といいます。

用途地域

建てられる建築物の用途や容積率・建蔽率を定める地域で、第一種低層住居専用地域から工業専用地域まで13種類あります。詳しくは用途地域・市街化調整区域。

開発許可

主として建築物の建築または特定工作物の建設を目的とする土地の区画形質の変更(開発行為)に必要な許可です。国土交通省の運用指針では、建築物でない太陽光発電設備は開発許可が不要とされています。

第一種特定工作物

コンクリートプラントや危険物の貯蔵に供する工作物など、周辺の環境の悪化をもたらすおそれがある工作物です。国土交通省の技術的助言(2025年4月8日)で、一定の系統用蓄電池は第一種特定工作物に該当し得るとされました。

森林・造成・災害

林地開発許可

地域森林計画の対象民有林(保安林などを除く)で一定規模を超える開発を行う場合に必要な、都道府県知事の許可です。太陽光発電設備の設置は0.5ha超、その他は1ha超が対象です。詳しくは林地開発許可と盛土規制法。

保安林

水源のかん養や土砂の流出防備などの目的で指定された森林です。立木の伐採や土地の形質の変更に許可が必要です。

盛土規制法

宅地造成及び特定盛土等規制法の通称で、2023年5月26日に施行されました。土地の用途にかかわらず、規制区域内の一定規模の盛土・切土・土石の堆積を許可や届出の対象にしています。

洪水浸水想定区域

河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域と浸水深を示したものです。想定最大規模と計画規模の降雨を前提にしたものがあります。

土砂災害警戒区域・特別警戒区域

土砂災害防止法に基づき都道府県が指定する区域で、土石流、急傾斜地の崩壊、地すべりの3種類があります。詳しくはハザードマップで見る立地リスク。

データセンター

ワット・ビット連携

電力(ワット)と通信(ビット)のインフラを一体で効率的に整備し、データセンターの整備を進める考え方です。経済産業省と総務省が2025年3月から官民懇談会を開いています。詳しくはデータセンターの立地選定と電力。

出典・参考資料